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No.001エゾウコギ
エゾウコギとは

エゾウコギは読んで字のごとく蝦夷に生育するウコギ(五加)という意味の名で、学名はAcanthopanax senticosus HARMSといいます。生育地はシベリアのアムール河中流地域と樺太、中国の黒龍江省、吉林省、遼寧省、日本では北海道の北見、帯広など東部に分布します。成長すると4〜5メートルの高さにまでなるウコギ科のウコギ属に分類される落葉灌木です。ウコギ科の植物には生薬として使われるものが数多くあり、その代表的なものが朝鮮人参です。よく東北の山の中で見かける山菜のウドやタラノキも属は異なりますがウコギ科の植物で、新芽をおひたしにしたり、ご飯に炊き込んだりするほかに、昔から民間薬として使われてきました。

エゾウコギはシベリアのアムール河中流地域と中国、樺太、北海道の一部にしか自生しない、分布地域の少ない貴重な植物です。

昔から親しまれてきたエゾウコギ

エゾウコギという名は日本名で、ロシアではエレウテロコック、中国名は、刺五加(しごか)。刺(とげ)のある五加(うこぎ)という意味です。エゾウコギの幹や枝には刺がたくさんあります。それも斜め下に向かって生えた鋭い刺なので、鳥やヘビなどもこの木には近づけず、「鳥トマラズ」とか「蛇ノボラズ」という異名さえ持つほどです。幹や枝は灰色がかかった茶で、枝からのびる長い葉柄には5枚の葉を持ち、夏には小さな花をつけ、9月ころには黒い実をつけます。しかし、種子から増殖するよりも、ほとんどの場合は地下を一定の深さへ横に這う地下茎により増えていきます。
アイヌの人たちは、昔からエゾウコギを神聖な植物として珍重してきました。鋭い刺のある枝を入り口につるして、悪霊をとおざけるまじないのようにも使っていたそうです。薬効にも気がついており、強精・強壮以外にも神経痛や関節炎、淋病の治療にも使っていたという記録が残っています。
しかし、明治以降の北海道開拓民にとってこの植物は、単なるやっかいものでした。土地を切り開く時、刺のある茎や地下をはりめぐる根は駆除しにくく、取り除いたと思っても、地下茎が残っていればまた芽を出してくるのですから嫌われたのもわかる気がします。

エゾウコギの含有成分

もともと、中国の刺五加やロシアのエレウテロコックの製品は、エゾウコギの根皮を原料として、さまざまな方法でそのエキスを抽出し、それをいろいろと加工したものです。しかし根を利用するということはその株を掘り返すしかありません。それでは資源が枯渇してしまいますから、北海道では一般に茎を使うようにしているのが現状です。根を使わないものは邪道であるという意見もあるようですが、根と茎には含有量こそ違いますが、同じ成分が含まれており成分の調整をすればいいことなので、茎を使ってもなんら問題はないのです。右の表はエゾウコギの部位別成分比較表です。

エゾウコギは生命力の強い植物ですが栽培するのは容易ではなく、一部を除くほとんどの製品の原料は、中国やロシアに自生しているものを使っています。広大なエゾウコギ生育地を持つ中国やロシアでさえ近年は、資源保護と有効利用の意味で茎も使うようになってきました。また近年、根に含まれない13種類の新活性成分を含む総サポニンが葉に含まれることがわかり、用途によっては根より葉のほうが有効な場合があることがわかってきました。

さて、このエゾウコギを日本の厚生省(現厚生労働省)薬務局長通達「無承認無認可医薬品の指導取締りについて」の別紙「医薬品に関する基準」では、Iの1の(1)(b)という分類にエゾウコギを明記しています。
この分類は医薬的な効果効能を標ぼうしたり、形状および用法容量が医薬的であったりしないかぎりは薬事法の規制対象外であることを意味します。簡単にいえば、「○○に効くとか」「○○がなおる」とか「一日3回食後に飲む」とかという、薬と間違えそうな表記や形状でなければ、一般の食品と見なすということです。
これは、医者の診断など必要なく、入手したい場合は食品を買うのと同じように買うことができる、ということですから福音です。エゾウコギを原料とした製品は現在いろいろなメーカーから発売されており、一般には薬局や健康食品を扱っている店舗などで入手するのがもっとも手軽な方法です。タール状の100%エキスから飲みやすく調整されたボトルに入ったエキスドリンク、エキスの錠剤、顆粒。エゾウコギを乾燥させ細かく砕いたティーバッグ、エゾウコギの葉を使ったティーバッグなどさまざまな製品があります。

ただ気をつけていただきたいのは、購入の場合飲みやすさやブランド名で選ぶのではなく、成分の中のエキスの含有量が多い製品を選ぶようにしてください。せっかく飲んでも、効果がないのではもったいないですから。日本では食品が主ですが、外国にはエジウコギ製品の変わり種がいろいろあります。ロシアでは歯磨き、イタリアではエゾウコギの皮膚に対する美容効果も検討されており、エゾウコギクリームの製品開発がなされています。

エゾウコギの何が効くのか?

エゾウコギは数多くの成分を含んでいますが、主要成分は次の表の内容になります。

エゾウコギ根皮と茎に含まれ、さまざまな生理活性を示す成分はフェノール性化合物のイソフラキシジン、エレウテロサイドB(シリンギン)、エレウテロサイドB1(イソフラキシジン、モノグルコサイド)、エレウテロサイドE(シリンガレジノール・ジグルコサイド)、シリンガレジノール・モノグルコサイド、ピノレジノール・ジグルコサイド、ピノレジノール・モノグルコサイド、メジオレジノール・ジグルコサイド、クロロゲン酸、2,6-ジュメトキシベンゾキノン、セサミン、サビニンなど多岐にわたります。

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監修:西部三省/チェ・フォンチン 出典:エゾウコギの超力(毎日新聞社)